まずは電力について考えてみよう
普段何気なく使っている家電製品、携帯電話の充電、テレビ、ゲーム、電子レンジ、冷蔵庫、部屋の電球など様々です。自宅や会社で生活しているのですから電力会社から電気代を支払い電力を供給していただいて何も気にすることなく家電製品を利用することができます。
自動車を利用するとき、エンジンをかけてアイドリング中だったり、運転中ですと音楽聞いたり、携帯を充電したりシガーソケットや100V電源から電気を供給することができるので電気を利用することができます。しかしエンジンをかけなければ電気を潤沢に使用することができません。今の生活には無くてはならないものが電気なんですね。
キャンピングカーを利用するとき移動中はメインバッテリー(エンジンをかけるバッテリー)の力を利用して必要最低限の電気を賄ってもらっています。しかしそれでは普通の車と同じなのでキャンピングカーにはサブバッテリーというメインバッテリーとは違うバッテリーを搭載しています。実際、私のDKwagoncustomには105AHのディープサイクルバッテリが二つ搭載されています。ツインバッテリーというものです。合計の出力は210AHですが100%ディープサイクルバッテリーの力を発揮することができず、2つの合計値210AHの60%~65%ぐらいの容量を使うことができると言われています。ある程度使ったら繰り返し充電して使うというものです。あまり使いすぎて容量を使いすぎてしまうとディープサイクルバッテリーの寿命を縮めてしまうと言われています。ディープサイクルバッテリーは放充電を繰り返しおこない使うことができるキャンピングカー用のバッテリーです。国産で私のクルマのサイズですと一つ2万円程度します。
2019年後半に私が購入したケイワークスで進化したバッテリー、リチウムイオンバッテリーを開発・発売しましたが私のハイエースにはそのような高価なものは装備されていません。詳しい金額は知りませんが1つ20万オーバーらしいです。
その家電を動かすために「これだけの電気が必要」と数字で表したのが等に電子レンジ記載されている「800W」という表示です。
強が800Wで弱が550Wなら強は800Wの消費電力、弱は550Wの消費電力ということです。
製品によって数値は異なり、W数が大きいものほど電力を消費します。
そしてもう一つ重要なのが、消費電力はkWで考えることが多いという事です。
1000W=1kWとなりますので、電子レンジ「強」の800Wは0.8kWとなります。
ただし電気というのは一瞬だけ使うのではなく、蛍光灯なら家にいる間の8時間ずっと灯して電気を使用します。
一般的に電化製品に書かれている定格消費電力は、1時間使用したときに使う電気の量を表わしています。
電子レンジ「強」を10分間使用したなら、強の定格消費電力は800Wであり、使用時間は10分なので計算は以下のようになります。
800W×10/60 = 133Wh
となります。
電気の量に使用した時間をかけた単位はWh(ワットアワー)と言います。
単純にその電化製品が消費する電力量を指すのとは別物だという事がわかっていただけると思います。
先ほどの800Wの電子レンジでいえば最大が800Wですので800Wが定格消費電力ということです。
消費電力は消費された電力で、定格消費電力は最大限の消費電力になります。
例えばホットプレートでスイッチを入れた時に何℃に温めるかを指定できますが、その最大の温度の時に使われる電力量を定格消費電力といいます。
毎日使う冷蔵庫、1年のうちの夏と冬に使うエアコンはこれぐらいの消費電力だろうと測定基準をもとに出した数字です。
目安として年間これだけの電気代がかかるだろうと、あてはめて計算するときに便利な数字です。
消費電力と消費電流は一見言葉が似ているため同じのように聞こえますが意味が違います。
消費電流とは回路に流れている電流のことでセンサーの内部に流れる電流が消費されることを意味します。
例えば、家電製品の表示に出力電流が25Aと記載されていたら消費電流は25A以下にしないといけないという意味です。
消費電力とは家電製品を動かすために消費される電力なので消費電流とは意味が違う点に注意が必要です。
電圧が12(V)で電流が1.25(A)なら
12(V)×1.25(A)=15(W)の消費電力になります。
15Wの電化製品を12(V)の電圧なら
15W÷12(V)= 1.25Aの消費電流になります。
白熱電球の場合、力率は100%です。
そのため電圧(V)×電流(A)=消費電力(W)の方式になりますが、蛍光灯は安定器やコンデンサがあるため、電流を流したとしてもても100%流れるわけではありません。
この電流を流したときの損失を力率といいます。
クランプメーターや電流計などがないと計測が難しいですが、分からない場合は80%で計算すれば大きな差がなく計算できます。
計算方式はこうなります。
消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)×力率
消費電力の単位を知ろう
電力には紛らわしい記号や単位がたくさん存在します。
家電製品などに書かれている数字や記号の意味を理解する必要があるため記号についてまとめました。
「消費電力」の単位はワット(W)
消費電力の単位はワット(W)です。
電流回路を流れている電気の粒子が消費される量を消費電力といいます。
家電製品には必ず表示があり、「100W」などと消費される電気の量が記載されています。
数が多ければ電気代が多くかかります。
KWとは
1kWとは1000Wのことです。
1000Wや1 kWと表示されているため最初は分かりにくいですが意味が分かれば簡単ですね。
Whとは
Whは電力量(W)と1時間の単位の(h)が組み合わさった1時間あたりの消費電力量です。
1kWhは1000Whのことを指します。
電気代の計算はkwh(キロワットアワー)
1000Wの消費電力量は1kWhです。
アイロンのW数が1000Wだとすればアイロンの消費電力は1時間で1kWhです。
1kWhの契約料金が22円だとアイロンの電気料金は22円/時間になるということです。
電圧の単位はボルト「V」
電圧とは電気の粒子を流そうとする圧力をいいます。
日本の家庭用の電気は100Vです。
大きい数になればそれだけ圧力が高く電流を押し出す力が高いという意味です。
電気が流れる量の単位はアンペア「A」
電気の流れる量を表します。
ブレーカーを設置している場合は40Aなど家庭で使う電気の量に対して契約していると思います。
電気の容量がそれだけ流れても大丈夫ということです。
電気の事をある程度理解したと思います。
◆車内で家庭用電源を利用可能にする
ケイワークスサイトより
インバーターとは、電流を直流(DC)から交流(AC)に変換する装置です。コンセントから電気の供給を受ける家電製品は交流(AC)です。自動車の12Vバッテリーは直流ですから、これを100Vの交流に変換することで、さまざまな電化製品を車内で使えるようになるのです。
キャンピングカーの装備を設計する場合に電気系統の配線は欠かせない部分ですが、先ずはどの位置で、消費電力がどれくらいの電化製品を、どんな目的で使うかを明確にすることから詰める必要があります。たとえば、インバーターの消費電力マックスが300Wの場合、いきなり車内で800Wの湯沸しポットを使うことはできないので、どうしても湯沸しポットを使いたいのならば、消費電力が1000Wくらいまで使えるインバーターを用意しなければなりません。使う場所も、どこにするかによって、コンセント位置の配線は変化します。では、バンコンバージョンでインバーターを装備する際のキャンピングカー使用時に想定される電化製品をいくつか取り上げてみます。
■消費電力の少ないもの
LED照明/ギャレーで汲み上げる水中ポンプ/TV/パソコン/スマートフォンや携帯電話の充電/FFヒーターなど
■消費電力の多いもの
湯沸しケトル/電子レンジ/ヘアードライヤーなど
消費電力が一番大きいものは電子レンジと想定されますが、ターンテーブル機能のないシンプルな電子レンジでしたら、700Wで稼動するお勧め電子レンジがあります。できるだけ、消費電力は抑えておきたいものです。ちなみに湯沸しケトルでは、消費電力の少ないものは900Wです。以前はティファール製の750Wがあったのですが、最近は製造メーカーが早く沸かせることをメリットに開発競争をしているせいか、1200Wクラスの製品が多いようです。こうした電化製品の消費電力を考えておくことは、とても大切です。
上の写真はDKwagoncustomに装備されているディープサイクルバッテリーとインバーターです。
下の写真はオーロラ・スタークルーズにセットされた電子レンジ
車内での電源ニーズを伺いますと、スマートフォンや携帯電話やパソコンなどの充電、冷蔵庫(12Vの直流電流でもOKのもの)が欲しい、調理は要らないけれどお湯だけは電気で沸かしたい、お弁当を温めたいので電子レンジは必要、子どもたちにモニター画面で映像を見せて飽きさせないようにしたい…そんな声が多いようです。
このなかで、12Vの直流電流でもOKな冷蔵庫とありますが、これは、DC/ACインバーターを介さずバッテリーやシガーソケットから直接使える直流12 V電化製品のことです。交流の100V変換に伴う電力ロスが少なく、長時間使用できます。車両のルーフに装着したソーラーパネルからの直流12V電流を受けて、常時使えるものが便利なようです。
KworksのHIACEベースの各モデルに直流12Vの冷蔵庫を設置した例
私のハイエースにはドメティック3WAYの冷蔵庫を装備しています。
■出力の種類は?
ハイエースを購入したSHOPのKworksでは、オプション設定ではなく標準装備で、各車種には下記の出力のインバーターが取り付けられております。
・DKワゴン 1000W←我がDKwagoncustomはこのタイプのインバーターを装備しています。レンジやドライヤー、ケトルは使わないので十分です。
・クラシックバン 1000W
・オーロラSL 1650W
・トランスポータースポーツ 350W
・DELICA D:5 1000W
オプションでは、こうした標準装備に加えて350W~1000Wのなかでアップグレードできます。
■正弦波インバーター・擬似正弦波インバーターって何?
交流電圧波形(パルス)の波形の違いで区別されるインバーターのことです。
正弦波とは、波形がきれいに整形されたもので、基本的にすべての電化製品に使用できるインバーターがもつ電気の性質です。
波形イメージ
擬似正弦波は、正弦波のような滑らかな曲線を描かず、凹凸の波形になります。正のピーク電圧から負のピーク電圧に一瞬で変化するので突入電流が鋭く大きく、擬似正弦波インバーターでは使える電化製品は限られてきます。
■擬似正弦波インバーターで使えない機器は?
インバーター式の調光機能がついた蛍光灯、マイコン制御の電気毛布などの機器、モーターを使った電動工具などの機器。ただし、モーターを使った機器でも、消費電力(W)が定格電力の10分の1以下であれば問題ありません。1000Wの擬似正弦波インバーターであれば、100Wまでのモーター駆動機器を使うことは可能である、ということです。しかし、購入したKworksでは擬似正弦波インバーターは一切装備致しません。
■メーカーはどこがいい?
メーカーに関しては、製造国と価格を比較してみるとよいのですが、あまり公表はされておりません。
・PowerTite(パワータイト) 台湾生産
・電菱(DENRYO) 国産(台湾のCOTEK社のOEM品)
・セルスター 国産
一般的にはパワータイトがよく知られていますが、元祖は電菱です。価格もパワータイトより安く安定しているので、Kworksではお勧めしています。また、1000Wクラスでよければ、格段にお求め安いセルスターがあります。しかし、リモートコントロールスイッチが無いので、本体でのON/OFF切り替えとなります。
Kworksでは独自配線でリモートスイッチを作り、本体ではなく集中スイッチパネルでON/OFFできるので大変便利です。
より安定感を求めるのなら、電菱もしくはパワータイトをお勧めします。お好きなところに電源を取り付けられます。
Kworksのコンプリート車は、助手席の後部に家庭用100V延長タップ(1mコード)を標準装備しております。
これ以外に、車内後部に電源コンセント部を増設したい、といったご要望にもオプションでお応えしてもらいます。